なにやら妙な研究してる・そういう噂~環境科学&農生態学の物質循環研究者の日常~
 なかなか寝付けなかった朝はズルっとなだれ落ちるようにベッドから起き少し立ち眩みする。
 シャキッとしない出勤、自分の席に座っても、イマイチぼんやり…で随分と時間が無為に過ぎた。今日から何をする?そう、計算を進める。
 という事で金曜日に作ったプログラムを動かしてアンケートを集計する。…が、計算に2時間?オカシイ…
 プログラムを見直し、おかしくない事をみて、元データに問題を見つけ、対処したら、上手く動いた。イカンな、こういう事に気づかんと。
 昼は妻が弁当を持たせてくれたので、喜び頂く。
 午後はWeb会議。本質では無いので、資料や論文を読む。意外と集中できるもんだ。その間にプログラムを動かし、動くことを確認しつつ、3つが並行して走るいい感じの仕事状態。だが身が入らないのもまた事実。参った。

 この身の入らなさから締まりのない1日だった。

 何とか注意しつつ帰宅し、暫し休む。眠れないので、これを書いている。

 テレビ番組にもなっているとの事だが、マンガの「ワカコ酒」(新久千映・コアコミックス)がイイ感じである。「新久千映のお酒バンザイ」(同・角川)も、広島在住の著者がお酒と料理を楽しむのが、何とも素晴らしく書かれている。所謂グルメものは蘊蓄にちょっとした比喩を加えてこねくり回すところを、店名も酒のラベルも明示せず、ただ美味そうに食べて飲む…単調さがここまですがすがしく感じられるのは、本来食を楽しみ酒を味わうと言う行為がシンプルで、しかし本質的であるのだ、という事を提示している。
 同様に食を楽しみ、やって来た地を慈しみする本に「私の食物誌」(吉田健一・中公文庫)がある。舞台はその昔、おそらく昭和中期か?5~60年代だと思う。その当時の空気と共に様々な食が提示される。滋味深く美味い、たったそれだけの賛辞が、何と雄弁なことか。終わりの方で酒飲みの境地を提示した事にはやはりのん兵衛だった自分が居住まいを改めねばと思った程。ただやはり難しさは感じていたが、「ワカコ酒」はその境地を上手く解題し、時には自分のひとり飲みの至らなさを反省するなど、主張するのではなくただただ飲み屋の空気から何からを摂取していくのだから素晴らしい。
 酒飲みの文化をどう伝えるか?この頃は妙に健全になったと言われる大学生たちだが、私は其の行儀良さには未来を感じない。自分が大学生だったころのぶっ飛んだところ(素面でもぶっ飛んでたが…)は、危険を冒してはいたが、故に得るものがあり、成熟した飲み方への橋渡しになっていたと思う。飲酒運転とかは怖いが(もっと怖いのはシャブやってるよね?系だけど)、ちょっと世間がクリーン過ぎない?と思うのもまた事実。他方でそのような飲み方が出来る大人が少なくなったかも…
 贈答と共に、飲酒は日中韓で共通する文化である。飲み方はそれぞれ違うが、上手く紡ぐと心は通じるものだ。さてこの文化をどう共生させ、深化させるか。これは酒の味わいのように深い、と思う。

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【2021/05/31 19:46】 | 研究
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