なにやら妙な研究してる・そういう噂~環境科学&農生態学系物質循環研究者の日常~
 眠気が去らず、余りいい感じの無い1日だった。英文は読めるけれど、理解が進まず…日本語は何とかなったが、どうもダメである。
 海を見に行ってさっぱりしたつもりだったが、未だうつ状態に入りつつあるのか?という感はある。調子を変えるなら…という事で、明日午前に一仕事したら午後は在宅勤務としてセミナーのWeb中継を見たり、論文を読んだりプログラミングで過ごそうと考えている。日常と違う環境に入ることで、何とかならないかな?という事で。

 午後後半に、中国から国際学会のアナウンスがあった。場所は桂林、あのカルスト地形ではなく、街中のホテルで開催されるのだが、なかなか面白そうだと思う。専門的な学会も良いが、私の分野を専門として行う学会は無いので、ごちゃ混ぜ坩堝に行くのが普通。同好の人が余りいないのは基本なので、他流試合である。まあ…人為にせよ自然の営みについてにせよ物質循環研究だけの学会とかあったら、なかなかすさまじいことになるかも。私は普通に楽しんでやっているが、「学んでみると生態学は面白い」(ベレ出版)で物質循環は鬼門だとある程で…まあ他流試合故お気楽でもあるがシビアでもある。

 私自身はエンタメとしてのオカルトや偽・疑似科学は否定しない(と言うか寧ろツッコんで楽しんでいる)し、愚行権としての喫煙や飲酒も認めるクチである。ただ、社会的実害を訴える事が実害になる場合や害悪になりうる認識の明らな間違いは笑って済ませるつもりはない。一発目は「無肥料栽培を実現する本」(マガジンランド)、胡散臭いね、と思いながら読んでみると、著者の定義する「肥料」とは、化学肥料と家畜ふん尿堆肥であり、米ぬかや植物由来の堆肥等は肥料と定義していない。残念だけど肥料取締法上、特殊肥料や有機質肥料と定義されるものだし、肥料は作物が育つために必要な栄養を供給するものというのが肥料学上の定義だ。同様の欺瞞系には「すごい畑のすごい土」(幻冬舎新書)がある。「奇跡のリンゴ」(幻冬舎)で有名になった木村秋則氏のひっつきな著者に会う機会があったのだけど、何もしていない、もう土に肥料成分は無い、という事を強調したい故にあまりに、無謀なこと…大豆=緑肥もやらなかったことに、火山灰由来の黒ぼく土という非常にリンを吸着しやすい土でかつ造成30余年しかたっていないけど、リンはもう抜けて居る、とのたまう。残念だが、その程度では抜けない、というのを私は論文で書いているのだが…まあ置いといて、そのくせ作物が吸収できる形態のリンが土壌にあることを示し、何故あるんだろう?不思議だ~。おーい、それは造成時に土壌改良として鬼のように投入したリン肥料…多くは熔リン由来か、或いはその後、肥料をやるのを止める前に与えていた化成肥料由来である。あの辺りの土は強烈にリンを吸着するが、一方でじんわり供給し始めたりもする。リンの濃度の鉛直プロファイルも取っていないし、木村氏の上をいく妄想ドリーマーであった。ちなみに氏の提示した土壌中のリン濃度は農水省がリンをやらなくてもいい、と提示した70㎎リン酸/100gを越えており、リンに関しては施肥の必要が無い。酢や石灰は虫や病気を避ける効果が限定的だけど見られる、ということで法律上、有機農業で使っていい農薬という事になっている。元より、銅水和剤、硫黄水和剤、デリス乳剤(デリスというマメ科植物から作る殺虫剤)などが使える。自然農法崇拝者のHPで酢を農薬指定して管理しようというのは怪しからん、という論調を見た時は、何が問題か全くわからなかったが、要は農薬という名前にアレルギーのある人なんだろう、という事と、じゃあ2,4-DやDDTを農薬から除いたらこれを使用した作物を喜んで食べるんだろうか?と訝しんでしまった。私の母の世代だと進駐軍に毛じらみ対策でDDTを真っ白になる位振りかけられたというから、考えられないくらい人には安全なんだろう。マラリア地帯では今も用法を守って使う事で鎌形赤血球とともに人に安全をもたらしている。…私はウガンダに行ったときには抗マラリア薬を飲んで宿には虫よけ剤を置いていた。
 まだまだ大丈夫かこいつらな話や本はあるのだが…今日はここ迄に…際限がない。こういう嘘・自他に対する欺瞞は、やはり愚行権か趣味趣向としてやりたい人がやればいい、と私自身は考えている。それはその人の価値観であり、農地を使ったアート=人為として、他者に害を与えない限り許されると考える。昭和のモンスター番組「八時だよ!全員集合」を笑って見つつ、舞台装置の仕掛けに興味津々だった身として、今の緩さのないヨノナカに農という営みを当てはめたくは無いから。宗教化やカルトは別。

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【2021/01/19 20:27】 | 徒然
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