なにやら妙な研究してる・そういう噂~環境科学&農生態学系物質循環研究者の日常~
 生命誕生の場所は、深海底の熱水近辺か地上の温泉の周辺か、前者は高井氏、後者は山岸氏の考える場所である。共に言えるのは高温で嫌気的(酸素が無い)な環境であるという事で、そこまでは互いの共通認識・確率的に高い仮説となっている。この辺は予備知識はあったものの、地上の温泉周辺が持つ特性、乾燥と湿潤が繰り返すこと、が高分子を作る脱水反応をスムーズに行えるという面で海中よりアドバンテージがあるというのは面白い視点かも知れない。でもそういうモノかなぁ?と思うところで、水の中だから不可、という訳ではないと思われるところもあり、なかなかに面白く読めた。
 知見は古いかもしれないが、ここにエントロピーを高めるための粘土鉱物のかかわりとかあるのかな?という所は述べられていない。以前読んだ高井本で、軽石を熱水の出口とかに置いてみたらオリゴマーな有機物やら引っかかったよ、という実験もあった覚えがあるけど、多分、乾湿の繰り返しがあるといっても、やはり鉱物の影響がかかわりそうな感じもする。実に、興味深い話である。

 持論を押し付けることなく進む話は割とスリリングで面白く読めた。
 熱水噴出孔周辺の生物群集話や温泉近辺の極限微生物…大学~院生の頃の発見から今に至る間の研究の進展というのは誠に多様であったが、一番の変化は「見つけた」ことではなく「こう考えられる」という所に移行したことだろう。こういうのも生きてるだけで丸儲け、と言う奴かな?

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【2020/04/17 19:15】 | 本・読書
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