なにやら妙な研究してる・そういう噂~環境科学&農生態学系物質循環研究者の日常~
 私自身はそこまで天皇家というモノに何らかの絶対的な好悪がある訳ではない。「戦争を終わらせてくれた、裕仁天皇は恩人」とかいう人に「当時の統治者・最高意思決定者として太平洋戦争を止めなかった理由は?」と逆に問うし(毒を以て毒を制すべく東条英機を首相に据えたことが失敗だった、と私なら答えるが、「それは別の話」という人しか私は知らない)、今の日本国民に比しても何周も先を歩んでしまった事が悲劇の始まりだったことを、追いつけない自分の稚拙さに忸怩たる思いを持ったりする程度である。
 困難な時代を生きた裕仁天皇の帝王学を継いで、別の形の帝王学を持って国家の象徴を務めるとはどういう事であるか、を如実に示し解題したのが本書である。成程、天皇制が無ければどれほど荒んだ世の中になるか、個人の断絶と社会的階級がより恐るべき暴力をふるう事になるか、という事が良く解る。上皇陛下には申し訳ないが、「君臨すれども統治せず」と言えるほど国民のレベルは戦前から変わらず未熟です、と言うしかないか。
 もう一方で代替わりによって今上天皇がどのような挙動を見せるかを見る時の定規となるのが本書でもあると思う。平成のおさらいに良いかな?

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【2020/01/03 18:47】 | 本・読書
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