なにやら妙な研究してる・そういう噂~環境科学&農生態学系物質循環研究者の日常~
 鷲谷女史には、日本生態学会の懇親会のOPで年齢構成の過半数が20代であることを確認して一言「この学会の未来は明るいですね!」という迷言がある。私を含め1割も居ない40代以上のテニュア組を中心に「大量発生大量死のモデルだろ!」というツッコミを食らうのだが。
 まあそれは置いておいても、生物多様性というのは全くあいまいな世界である。多様性を示す指数の思想背景と算出法は色々あるのだが、指数が高く色んな種が居ればいい訳ではなく、いわゆる”悪者”外来種と、(外来種を含む)天然記念物、或いはカリスマ種をどう扱うかには、全く踏み込めていない。この辺りをどう考えるか、という事は、やはり本書でも明らかになっていない。絶滅危惧種に関しても、保全するのは良いが、なぜ絶滅危惧に至ったか、を研究した例は無いようでもある。単純な生態系の多様性で考えれば、ゴルフ場だって立派な生態系になるのだという「ゴルフ場は自然がいっぱい」(ちくま新書)を非難は出来ない。尤も物質循環の世界での扱い方を考えると勧められたモノではないが。
 いかにもな入門書にこういった現在的な問題の見解を求めるのはどうかというモノだが、分かるのは、結局のところ人為的にあるべき理想形を考えているだけで、どこかに客観性がある訳ではない、という事。それが今でも限界何だろう、という事だけはよくわかった。

【2018/10/07 09:43】 | 本・読書
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