なにやら妙な研究してる・そういう噂~環境科学&農生態学の物質循環研究者の日常~
 もっと地政学的な話になるかな?と思いつつ、読んでみたが、その要素は最初に方にあり、現在の位置をどういうニッチに位置づけるかと言うという主張はなく、国家政治のありようと関係から解いていくだけと言う感じを受けた。でも考える素材にするには充分な意味のある話であると思う。それから貧困などの世界的に汎用な問題と言うか病理などを表しつつ、ダーイッシュなどの新しい問題の発生から、気候変動まで。日本中心にぐるり見回すなら、結構いい感じの入門書であると思う。
 流石に北朝鮮に行ったことは無いが(「研究者」は「ジャーナリスト」の次くらいに面倒な職業である)、韓国・中国には数だけなら来年あたり累積訪問数は30回くらいになるかもしれない。共同研究や学会発表のために訪問していたからで、相手にするのもそれなりの人ばかりな所為もあるだろうが、嫌な思いをしたことは無い。少なくとも売れてるから出るのだろうが、まともに読みきる人はいるのか?と言うたぐいの本や、流れに棹差す新聞テレビが言うのをまともに受け取るのはばかげていると思うほどである。仕事的に、50度のバイチュウを山と飲んでもスカッと醒めるほどの建設的な本質を提案されて(まさに本書にあった中国のジレンマ)、どう応えるか言葉にならなかったこともある。韓国の良くしていただいている方から、政治にはいろいろあるだろうが、国民同士の関係には問題は無いだろう?と改めて言われるたのには参った。
 本書は国家体制は勿論、国連やNGO、NPO等、或いPKO(ちなみに今はPKO/PFOなどなくPSOなんだそうだ)の事なども書かれているが、国家やその政治の首席がどうだろうが、国民と言うのはそれには縛られる必要は無いし、先入観以前の心地よさの拡大コピーする必要もない。素の人間同士でどう付き合うかが問題と言うだけ。

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【2015/09/29 21:05】 | 本・読書
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