![]() | 農業問題: TPP後、農政はこう変わる (ちくま新書) (2014/01/07) 本間 正義 商品詳細を見る |
TPPに関わる人からの、しかしホラーストーリーでないのはもちろん、能天気な下らない話でもない、農業の本来に翻って「TPP後、農政はこう変わる」ではなく、「本当はこうならなければいけなかったのではないか」と言う話で、非常に頷ける事が数多く示されている。関税が低い、撤廃を基本とする・・・と言うのを質が高いと評価するが、一方で他国ならば当然やっているデカップリングによる農業「行為」保護を殆ど論じないのはどうかと思う。また、現在国際的に流通する最も高価な米=インディカ種のタイの香り米に、日本はジャポニカ種側から入り込んでも、多少生産コストを落としてやれば、市場を食い合うことなく価格主導権を握る事になりうる事等を論じないのはどうか?もちろん、TPPが閉鎖的なブロック経済であることを批判しつつ、しかしグローバル化の中での日本の流れを考えるには・・・と言う事もきちんと論じているのは評価できるし、賛同するものである。
きれいごと抜きにしても農業と言う「商売」は、イチゴ1haが5万円にしかないらないか500万円になるかな?の「賭博」とか、JAの下で貧乏してね(はぁとvv)なものであってもイケない。自分で舵を握れればそれは他産業での個人起業と同じものになるべきじゃないだろうか。
こうした脱皮を、TPPと言う外力によって行う事に私は反対するが、構造の変換自体には賛同する。この変化恐怖症こそが、農業における害悪であり、それがJAやら農水やらにある・・・と言うのも見えているが。
もうひとつ、TPPの様な外力に絶対反対なのは、サブカルチャーが破壊されることである。お目こぼしフェアユースが公認フェアユーズになりつつあるマンガなどの業界の裾野にある二次創作マンガを書いて楽しむことなどが、非親告罪化によって殲滅されるからである。私自身は直に影響が無くても、こういう裾野があって初めて、サブカルチャーのクールジャパンは存在し、その上にハイカルチャーが発生するのである。ただし、千葉浦安の東京特別区に出没する黒ネズミの著作権をフリーにするなら話は別だ。