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平和主義とは何か - 政治哲学で考える戦争と平和 (中公新書)平和主義とは何か - 政治哲学で考える戦争と平和 (中公新書)
(2013/03/22)
松元 雅和

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 戦争を知るための平和学入門 (ちくまプリマーブックス)の著者は、平和学をしているのであって、平和主義者ではない、と断っている。本書では無条件平和主義という御目出度い話もちらっとあるものの(往々にしてヒステリックな論調を持っていたりする人の存在は知っている)、平和優先主義と言うモノを出現させコレを中心に話を展開している。ただ、導入辺りから、何かね、と思ってしまうのは、ナントカ平和主義がそれが広いすそ野を持つ思想主張ではなく、個人のアイデンティティに帰属する部分があまりに大きくないかい?そしてその観念が、戦争或いは暴力事件に置いて否定的論調で満たされながら進んで、まとめてみると個人の主張としては立派だけど、それはあなたの自我でしょ?自己愛でしょ?と言う部分に落ち着いているように見える。
 単純には、戦争学に於いてその文化を涵養し治めて手元に飼いならす事で戦争を避けるか、或いは戦争は必然であると考える中で現状に適応した平和学によって踏みとどまる、と言うのが私的には落ち着きがいいように思う。

 みちびきを含めたGPS、携帯電話のAndroid OS、そしてこうして私が物事を書き込んで誰ぞかが見ているインターネットとそのプロトコル、Windows OS、どれも軍事に置いて必須のソフトでありインフラである。iPhoneだからいいもん、と思う人も居るかもしれないが、アメリカ陸軍のIT化においてiOSはAndroidとその需要に食い込もうと売り込んでいたのだから、同じ穴の狢である。あたご級DDG、ひゅうが級DDHがどんなOSを使っているかは公開されていないようだが、イギリスのアステュート級原潜はWindows 2000を使っている。軍事と民生を分ける事はほぼ不可能であると考えた方がいいんじゃないか。

 そうか、だからサバイバルナイフで武装した完全平和主義者で無防備都市活動家とか言う人が出るんだね。

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【2013/11/30 21:31】 | 本・読書
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