![]() | 理系女子的生き方のススメ (岩波ジュニア新書 〈知の航海〉シリーズ) (2012/12/21) 美馬 のゆり 商品詳細を見る |
「登った山の数で君の行動力はよくわかったが、人を余り巻き込まないのは問題だ」と就職して研修を終わるとき、次長から言われた。耳の痛い言葉である。研究者と言うのは基本一人社長、一匹狼(マーべリック)ではあるモノの、完全にマーべリックになってはいけないのだと思うことは多い。学位を取る前後は群れからはかなり離れ、当時流行を終わりつつあったOnly oneのNo.1、ピンでやってた。碩学を積み出版が数ある今、色々な人から声をかけられることが出始めている。ピンでありながらネットワークの一ノードとなると言うのは、なんとも現代の軍隊行動におけるネットワーク中心の戦闘のようで興味深い。
で、本書だが、人を巻き込み多様性の中でやって行こう、と言う話が連綿と続く。本書は特に理系を志すことが少ない女子に向けてやってみよう!ではあるが、書いてある通り理系男子にも当てはまることは多い。一つの視点ともう一つの視点(アルジャジーラテレビの設立趣旨)、と言うもう一つを加えるのが女子でしょ、と言うことだ。
もちろん女子である必要はない。マーべリックやおかめはっちゃくがノードとして存在することが肝要なのである。女でも男性化する人は社会にはいる訳で、そう言う均質化はしてはいけないのだ。
研究職をやって19年目に入るが、性差とは何か・・・と言うことを実は考えたことが無い。理系の研究者と言うのは存外にフラットだとマーべリックの視点から私は思う。心理ゲームで自分が異性に転換したら、というのがあったが、私にはピンとこなかった。私は同じように同じ題目で研究していると思う。
まあそれだけ私は異人なのかもしれない。