なにやら妙な研究してる・そういう噂~環境科学&農生態学系物質循環研究者の日常~
テレビ局の裏側 (新潮新書)テレビ局の裏側 (新潮新書)
(2009/12)
中川 勇樹

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 フリーディレクターによるテレビ番組の製作工程から来る数々の問題点を指摘した一冊。テレビ番組の制作に関わる人の収入格差・処遇格差なども入っているが、本質はテレビ局が責任を放棄し詰め腹は下請け孫請の個人に切らせればいいという態度、オペレートもガバナンスも出来ない身でありながら、それに不釣合いな収入をえて国民に暴力を振るう・振るわせることにある。
 昔、「メディア・セックス」「メディア・レイプ」というトンデモ本があったが、その内容は意味が無くてもタイトルはテレビ・新聞というメディアに関して、現在言えていることだ。その暴力性に気づき、無垢・無邪気・無能をもって振るうのでも、公正中立の隠れ蓑に隠れるのでもなく、明確な意図を提示して鞘に収められるか、が焦点になる。クロスライセンスとともに、数字とスポンサーに踊る経営は止めよう。逆に、社外でも出来るディレクター、プロデューサーにはきちんと対価を払うべきだ。
 商社の人は、モノを売らない、仕掛けを売る、という。仕掛け=ビジネスモデルは成功も失敗もあるし成功しても時とともに陳腐化する。今のテレビ局がコンテナーとしての役割しかしていないのに、旧来のビジネスモデル似固執しているなら、それはそれで実はチャンスであると著者がディレクターの時代を期待するように、私も思う。放送免許を競争入札させることで、よりコンテナー化を進めてビジネスモデルの相転換を行い、コンテンツ提供者に眼と資金が向けられるようになるなら、テレビはきっと面白くなるだろう。
 その前に、初期化して報道装置としてみるなら、記者クラブの解散やクロスライセンスの禁止も勿論行っておく必要があるけど。官僚以上に官僚的、それが今のマスメディアだからね。

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【2010/11/29 04:14】 | 本・読書
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