![]() | テレビの大罪 (新潮新書) (2010/08) 和田 秀樹 商品詳細を見る |
テレビが流布するのは、「犬がヒトを噛んだ話ではなくヒトが犬を噛んだ話だ」と言う一貫した主張と医学界の常識を交えた、本来の論、或いは正論を論じ、テレビのタブーにも浅いながら食い込んだ本。痩身神話と英雄捏造、アル中には優しいが飲酒運転にはその範囲に関わらず厳しい、など、全く頷ける話である。
しかしテレビの大罪の本質は、日本の文化伝統社会の駄目出し行い、アメリカ型大量消費社会を注入し、そして最後に字幕を入れることで思考能力を奪うことである・・・と言うメディア論を他から聞いたとき、特に最後の「字幕」に関しては大いに頷かずにいられなかった。そこまで踏み込んでいないのは残念。
私自身は子供の頃テレビにかじりついていた。面白い娯楽だった。それがだんだんつまらなくなり、今では殆ど見ていない。テレビは何時からつまらなくなったのかな、と某に言ったら、日本語に字幕を入れるようになってからじゃないかと思う、と某は答えた。彼の思考の奥を思い図るのは判らなかったが、なるほど、「あるある」型の反復学習・オペラント行動という教育工学手法でもあり、ロールプレイさせることで定着させるのはAUMやらのカルトの取った手法である。
黒幕は電通、そして相互監視と言うのが「閉ざされた言語空間」のオチだったが・・・勿論、刷り込んだ文化の根源、米の動きがある・あったことは明らかである。
新聞には広告に価値があるけどそう考えるとテレビ的価値って何?クリエーションを伴わないアニメにも興味がわかない・・・まあ、原作より良い二次創作を楽しむってのはありかな。