なにやら妙な研究してる・そういう噂~環境科学&農生態学の物質循環研究者の日常~
 熱はすっかり下がり、軽く「なんか変な感じ」が続いている。
 横になってMookを読むのは厳しいが、なんとなく「レンズ構成図で個性を知るオールドレンズ解体新書」(ホビージャパン刊)をばらばらと読んでみた。古い写真用レンズを古さゆえある収差(簡単には絵がシャープに映らないこと)を味だと考える、撮って楽しみ持って喜ぶ愛好家(好事家?)がいることは8、90年代…フィルムカメラの時代から知ってはいたが、先ずマウントアダプター、ついでネット通販やオークション、そしてミラーレスデジタル一眼によって大衆化した感がある。このムックの良いところは、少しはレンズの構成の歴史、構成の一般名称やネイティブに発生する一定の個性のくくりを知っておこう、というところがちょっといい感じだ。
 が、より基本から蘊蓄を語る前の基礎知識として、「カメラマンのための写真レンズの科学」(吉田正太郎・地人書館・1997新装刊)は必須だと思う。新がある限り旧もあって初版は1979年、内容はもちろん今手に入るオールドレンズの構成で古いところのトリプレット、テッサー、ガウス(今的にはダブルガウス)、といった系統はその誕生から語っている。悪く言うと決して新しい内容の本ではない(そんなレビューもついていた)。が、オールドレンズが1つのクラスターとして認知される現在、一周回って新しい本として読めることになったのは有難いことだ。ちなみに私は大学に入ってから早々に購入した本のうちの1冊。カバーはずいぶんとヤレて紙の色も変わったが、買い替える気はない。2200円という受講料は購入したいレンズに比して1-2桁安いと思う。

 名著復刊というと、「反射望遠鏡の作り方―設計・鏡面研磨・マウンチング」(星野次郎・恒星社厚生閣・2009)も外せない。読んだ40年以上前でも図版や設計図の絵が古かったが、調べたら1974年。詳しくは掘っていないが、星野次郎氏は反射望遠鏡の鏡の製作の第一人者と言っていい方。その大著が復刊していることを知って、これは「買いなさい」ということかと考えたのだが、価格には二の足を踏む6600円。
 収蔵し、時にパラ見してその本から連鎖する様々な思いを馳せる…には、ちょっと辛い、か?

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【2023/02/01 17:36】 | 徒然
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 独身時代の前世紀に岐阜県・高山市の山の中に調査地を持っていた。大抵2泊3日の日程、夕食は自炊もあったけど街中に降りてから食事をすることもあった。その時お世話になったのが、「茗荷舎」という自然食ベースの食事処だった。マクロビオティックとかもあったかもしれないが、私には意識のない独身時代のこと。街中を歩いていてなんとなく店の感じに惹かれて、当初は閉店中だったりで入り損ねるも(1回目は貧乏性で外の食事は5-600円が基準だったのもある)、何度目かの調査のついでに入ることに成功した(懐基準を緩和してみた)。
 店内の丁度良い雑然とした感じで、食事は「おおッ!」と思う新鮮な驚きのあるおいしさだった。ごぼうをつくねのようにすることで肉のような味と風味を出せることには心底驚いた。調査のたびに、とはいかなかったが、何度もお世話になり、いろいろな世話話をする程度には面識を持った。当時でもそれなりの年齢の女性だったのであるが、2010年代に妻と高山に旅行に行った際に寄ったら1日目はご飯が切れて終了、2日目に入店を果たした。独身時代は開けているけど人の少ない夕方だったのでいろいろおしゃべりしたけど、今回は昼。相当に混んでいて話せる状況でもなかったのは残念だが、でも店をやっていることには心底感激した。もう10年以上経ってるのだから相当のものだ。速水健朗の言うフード左翼の店らしく、それ調の話が飛んでいたりするのと、物販が充実して、カオス感はないがエントロピーは高まっていていい感じだった。

 で、ふと、検索にかけてみたら、「2013年9月閉店」。

 妻と行ったのはいつだったろうか?DEデミオに乗っていたから、2010年以降のはず、と写真を調べると2011年9月だった。閉店の2年前か。時は流れ世は無常である。そう考えると、おかみさん的にもいろいろ支障が出るのだろう…

 一つの記録が、記憶になった感じである。
 

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【2023/01/22 19:25】 | 徒然
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 今日で今年はおしまい。
 何をしているのかわからないうちに1年が終わった感がある。
 来年度は忙しくなると思われるが、それでも日食観測にはいくつもり。年が明けたら6日に及ぶ年休を入れることにする…何もないと踏んで!
 という事々が大ごとなのと、妻には手間をかけさせるけど2泊3日の帰省は年中行事で自分の実家ということもあり、あまり盛り上がるものがない。あっても昔住んでいた街がどう変わっているのかを見れることかな。この件はガラッと世の中変わって見た目も変わって、寂しくなるところが多いけど。

 この時期だと1年を振り返って、ということになると思う。けれどいったい何をしていたかがなんか心に残っていない。なんとなく、コロナ禍でコロナ鬱とでも言いたくなる状況からまだ復活していない感がある。来年度どういうことになるかわからないけど、4月までの3か月、公私ともに形になるものを残せるといいな。

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【2022/12/31 10:07】 | 徒然
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 Facebookでアマチュア天文家でイラストレーターの藤井旭氏が逝去されたことを知る。
 そこまで思い入れのある方ではないが、中高生の時にそれなりの数の本は図書館で読んで、天文関係のポピュラーサイエンスの中で輝く星であったことは十二分に理解している。また、農生態学の端っこで食っている口として、ポピュラーサイエンスを可能にするのは?と考えるときに、藤井旭氏の手法と能力の優れたところも分かる感がある。
 ある意味集大成的な「星座博物館」シリーズを著した山田卓氏の逝去を泊まったペンションの新聞だったかの切り抜きで知ったときの空虚感、科学の道に進めたらいいなと自分の道を示していただいた吉田正太郎氏の大往生をWikipediaで知ったときの喪失感とはまた異なる、不思議な感を藤井氏の逝去には受ける。
https://news.livedoor.com/topics/detail/23465461/

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【2022/12/30 23:03】 | 徒然
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 日食ツアー、PDFでも送ってもらいましたが、封筒でも日食ツアーの旅程表を送ってくださいました。内容は同じだけど、ありがたいものです。申込書も入っていたし。
 ということで、地上6泊、機内1泊という旅程を見つつ、Google mapで大体の土地勘を得ることとした。知らなくても連れて行ってもらえるのだけど、やっぱりね。個人で旅行に出るときの感覚があって、これができると旅行に主体性が出る感があるのをしばしば感じるので。
 6泊中4泊はテント泊になることもある…とのこと。いやぁ、いいですね。大学~院の時の天文サークルのノリです。年齢的に、暁キャッチ・早朝ノックで日があるうちはずっとソフトボール…は無理ですが。何のサークルでしょう?天文です。観測現地でテント泊を考えていたのですが、ベースキャンプの後アタックキャンプ、日食当日早朝発で日食帯に入って終了後アタックキャンプに戻り、ベースキャンプに戻って、というのが経路。脆弱なのは当日観測地に移動しなくてはならないことです。宿を奪い合う高額マネーの戦いがあるという話を聞くと、致し方ないかも。
 日食前夜は何ですが、前々夜と日食後の2夜と旅行最後の夜は南天の星空を楽しむゆとりも出るかもしれない。日食の日の夜は燃え尽きているかもしれないけど。この間、双眼鏡で観望し、1時間くらいの光跡を撮ったり、気合があれば2-3時間のタイムラプスも考えています。ということは、その練習も必要。この冬は久々に星撮りをやってみなくてはですね。機材はフジのX-A7とサムヤンの12mmを使います。この辺の計画ももっとしっかり立てられるように実地を積まなくてはです。
 しかし…航空会社がイマイチ固まらないとか、現地には1月に下見だそうで、コロナ禍の厳しさの傷跡を痛感します。

 ということで…今夜は書いてある通りの航空会社だったら、というのをシミュレーションしてみますか。月が大きくて星は無理な夜だし。

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【2022/12/08 21:04】 | 徒然
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