なにやら妙な研究してる・そういう噂~環境科学&農生態学の物質循環研究者の日常~
 高校の頃か、変なところで工場の廃墟を見つけた。何の工場かは解らない。ただ、太い配管がたくさんあった、塊感のある形だったと思う。大学に入ってある時、気になって行ってみた。この辺の筈、と出かけたけれど見つからずに終わった。解体されたんだろうけど、跡地と思えるところすらなかった。土地というハードウェアに乗ったソフトウェアが様々な機能を持つ建物、都市であったりするのか。
 やはり高校のとき、後輩に誘われて高校の裏山に伸びる山道を行くと、廃墟と化した、しかし雨の当たらない部分は未だしっかりした神社?寺院?があった。往時の姿が映された絵葉書があり、また、外には岩風呂、そして不釣り合いな新しいプレハブの建物があった。こんなところに大きな祈の場があったのかと思うと、意外だった。その朽ち方はとても美しくもあった。就職してからだったろうか、なんとなく気になり、同じところに行ってみた。いろいろなものが記憶にあるまま残っていて、しかしその寺院?は姿かたちが無く、プレハブだけがあった。呆然として建物の基礎だけが残った所を見ていると、ここから山頂に伸びる道を降りてきた老齢の方が居たので、効いてみたら半年ほど前に撤去されたという。たった半年の差で…そう思うと心の中に大きな空洞ができた感がした。
 大学生の時、学生としてはとても外れたところの蔵を改造した2階建ての上階に下宿していた。その時に結構行っていたお好み焼き屋がある。口の悪い割と高齢のおばちゃんのやっている所。多分、人情とかが生きている世代。いろいろな話を聞いて勉強したかも。私はおばちゃんに「浩宮」とあだ名されていた。就職して関東に来て2年目頃か、その土地の悪友Fが結婚するというので、呼ばれてカメラマンをすることとなったのだが、街に来たなのだからとその店に行った。出世したよ、と報告してビールでも奢るか?と思ったところだったが、お好み焼き屋ではあるが屋号が変わっていた。お好み焼きを頂きつつ、いつ頃変わったのか?と訊いたら半年ほど前だという。またしても半年…。矍鑠としたおばちゃん(ばあちゃん?)だったが、引退もアリだろう。遠くから通っていたというから。

 学会が大学~院の時の街であるので、自転車で走り回ってみた。修士修了迄過ごしたこの街、3か所住処を変えたが、最初の下宿先に行ってみた。組合に入っていない、ちょっと安くて熱い湯の風呂屋はなく、しかし古い町並みの道筋は変わりようもなく、安心できるけどなんか奇妙なきぶんになった。確かこの辺り…と思っても何だか勝手が違う。でも見慣れた家の構えが見え、表札もあったので特定できた。奥には住んでいた蔵。今もあったことに懐かしさとうれしさがあった。ちょうど下宿屋のおばあちゃんが出てきたので挨拶し、次第を話すと「昆布茶でも上がっていきなさい」と言ってくださったので、お言葉に甘えさせていただいた。相方のおじいさんは逝去されていたので仏壇に手を合わせた。いわゆる終活をどうしようかなんてことも言っておられたが、まだまだ元気そう。そして蔵の中を見せて頂いた。懐かしい空気だった。歴史ある色の梁、机を置いていた辺り、押し入れ、衣装ケースを置いていた所…往時に引き戻された気分になった。私の居た20年弱前より古びた感じもなく、そのままだった。…あ、階下にあった台所はなくなっていたけど。懐かしい空気を吸って、世話話をしていたら、近所の方が何かの集まりがあるから…とおばあさんを呼びに来たのを聞いて、私は場を辞した。

 もうすべて何もかも変わってしまった。すべては記憶の中。

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【2024/03/03 21:40】 | 徒然
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 去年のニューヨークタイムズ・ショックとでも言いたくなる虚を突かれた「訪れるべき観光地の第2位・盛岡」から1年、半年とはいえ盛岡市民であった経験から思うのは、単に「成程」という感であった。ネイティブに東洋のエキゾチックな田舎、つまりは日本という国の暮らしそのものを求める海外からの旅行者にとって、なるほど盛岡とその周辺の自治体にあるものは、彼らに地殻変動ともいえる全くの別の世界であり、すべてが観光資源である。ここにもう一押しするなら、客人に出すものではないからと表に出なかった家庭料理や水田風景、さらにはその場所での暮らしそのものを上手く紹介する事であろう。そういった意味で農家民宿は最強の観光資源ではないか?と思う。加えるなら要点を押さえて可能な限り少ない表示できちんと見所や紹介を可能にする看板表示(この辺、欧州は上手い)かな。インフォメーション・カウンター、トラベラーズ・オフィスを除けば英語などの外国語が街中で通じないのは関係なく、むしろその不自由さこそがワクワクを高めてくれる。
 余程の好き者でなければ行くことがなかったであろうアイルランドは、一時外資導入による経済発展でEUの優等生とすら言われたが、それ以前は欧州の避暑地としてバカンスを楽しみに行く観光と農業の国だった。ぎりぎりその状況を見た身からは観光資源と言えるものは稀で、そもそも行った2月はオフシーズンで古代遺跡や古い教会、城など閉まっていて、ほぼ入ることができなかった。そもそも冬に来るのではなく夏に来い、というのは宿屋のお父さんから熱弁された事でもある。気候的には確かにいいのだが(19年後に同じ宿に泊まって検証した)、エキゾチックな国を満喫するなら雨が多い事を除き何ら問題ない。返ってうらぶれ感があったほうがいいとさえ思った。避暑に来る旅行者だって、出来ることはゴルフかサイクリング、でなきゃその辺をほっつき歩いてその土地の暮らしを楽しんで何か月かを過ごすのが基本のようだ。
 そんなこんなで、日本通ではない旅行者こそ盛岡、というのはなるほどと腑に落ちる。
 ちなみに私は冬の盛岡も2回以上訪れている。日本一寒い県庁所在地とすら言われるなら、寒い時を経験しないのは面白くない。スキーも温泉も楽しまなくても、冬の盛岡は虚飾もなくただその地の暮らしがあるだけの場所で、笑いたくなるほど良い感じだった。
 ちなみになんで2月にアイルランドに行ったかは簡単。大学院中退前に時間を空けられるのがその頃で、かつ狙いは本場のギネスが飲みたかったからである。バラク・オバマ元米大統領はアイルランドの大統領だったか首相に、ギネスの味が劣ることが愛米間の貿易上の問題だ、という冗談を言ったのだそうだ。実際、別世界の美味さだった。

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【2024/01/05 12:37】 | 徒然
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 そういえば今朝は職場の方で霜に近い梅雨が多いな、と思ったら出勤時の気象観測塔の気温は2.3℃だった。多分、今季一寒いと思う。イッキ過ぎる冬っぽい朝。普段なら良い色に染まるアメリカフウもさっさと葉を落としている。季節が確実におかしい。

 最近読み終わったのは「自衛隊の闇組織」石井暁・講談社現代新書 執念のジャーナリズム本。
 今読んでいるのはKindleでは歌舞伎町の調査やルポの本…光ある限り闇もある。その闇の一番深いところと、そこに集まる人の見せる現代の問題…世の深さに戦慄する2冊の本。紙の方は戦争終結は如何になされたかの学術系と言っていい新書。

 来年の日食機材製作HPを更新し、一旦製作は終わりという段になった。今後は実稼働をさせてみてのバグ出しとストレス試験、機材の扱いに慣熟することも兼ねたリハーサルをどんどんこなすこと。余りハードとファームウェアを弄ることなく。多分弄る必要があるのはソフトウェアのコードの筈。

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【2023/11/21 21:00】 | 徒然
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 気が付けば5日間職場にいなかった訳で、メールの山にめげる朝になった。〆切仕事も出張云々も一区切りついて、気が抜けた所為もあるからか、何をするかな?とちょっと思考も抜けていた。が、どうにも動けず、事務処理で1日が終わって行ったと言っていい。仕事になっていなかった。イカン。
 脳内が混乱しているので、やるべきことに櫛を通してスカッと済ませられるようにしたい。

 明日はお台場であるちょっとした展示会に行くので出勤は午前のみとした。少々思う所もあり、世の中視察と行ったところかな。
 帰りは多分遅めになるので、どうせなら平日夕を楽しんでみるか?と思う所もある。新橋や神田で給与所得者の夕べを人並み?に楽しんでみるのもいいかもしれないと思ったりする。せんベロとは何ぞや、を経験し考えてみたいとも思う。
 …明日夜を今から考えるか?というのは問題だな、とは思うけどね。

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【2023/11/21 20:15】 | 徒然
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 朝意外と早く目覚めるも起きる気になれず…気づけば本来出ようと思った時刻より1時間強遅い立川への出発になった。なんかモチベーションが下がった朝だったけど、立川のPlay! Museumに着いてみれば、「が~ん」な行列。マジ心折れそうになった。けれど腹をくくって入りましたよ、30分くらい待って。
 「エルマーのぼうけん」展。感想はもう、衝撃的なくらい素晴らしかった!に尽きる。あの絵がどんなふうに描かれていたのかを子細に見ると、驚くほどに精緻で柔らかい輪郭に図られたように陰影をつけられている事にはゾクリ。出版用の着色画は、インドの博物館で見た細密画以上にワクワクが詰まっていた。周りにコメントがあったり位置合わせの線があったり、というのがなかなかにライブ感があった。展示の工夫も思った以上にスバラシイ。遊び心や物語の再現をきちんと心得ている。触ると音の出るアトラクションもあり、展示館内は結構騒がしい。が、その物語を知っていればなるほどと気にならない。二世代ファンが基本のこの展示だったが、意外と子供がはしゃいだ声が引っ掛かることはないように感じた。もう物語の世界の中なのである。展示エリアに関しては入場制限をしていたので混んで大変、という事はなかった。一番混んでボトルネックになっていたのは展示ではなく展示出口にあるミュージアムショップだった。私的にはモノとして手元に置きたい気はなく、Amazonとかで英語版の本を揃える方が面白いかな?と思ったりした。というか改めて原語で読んだらどうなんだろう?と思った。
 展示品数は少ないし、展示面積も結構狭い上に立川市民でなければ入場1800円とチョイ張る。けれどもう一回行ってみたいな、と思う企画展示だった。ちなみにフラッシュ不可だけど写真はOKです。

 あとは中央線と総武線を乗り継いで秋葉原へ。書泉ブックタワーで気づけば4冊、ラジオセンターの萬世書店で1冊。小間物を揃え、ジャンク品を1品入手。思いっきり俗だね(笑)。

 そういえば、昼食に立川駅で駅そばでも、と上階のコンコースに行ったら何故か蕎麦屋が見当たらず、代わりに焼きそば専門店があった。これも話のネタかな?という事で食したけど、ちゃんとゆで麺を使い鉄板で焼く本格派、太麺で美味しかった。

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【2023/09/18 17:19】 | 徒然
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